本当に偉大なアーティストやデザイナーというのは、どこをどう切り取ればいいのかしっているのです。
切り取るという言葉は、人類の想像力は乏しいんだよ、と教えているようだ。クリエイティビティなんか結局は世の中をどう捕らえるかであって、実は何も生み出してはいない。天才と呼ばれる人達は切り出し方の視点がうまかっただけなんだ。ニュートン物理学も世の中の事象の一側面でしかないし、モネの印象派も世の中の捕えかたがうまいだけだ。
人類は事実上地球を支配しているので、てっきり人間ってすごいのかと思っていたら、よく考えたら人間のクリエイティビティは既存の空間に縛られているどころか、空間から足を出すことすらできていなかったんだ。切り取ることしかできないということは、つまり包含されきっているということだ。仏様の手の上の超空間のうち、人類史上知りえたものは10分の1ぐらいで、切り取って作り出したものが20分の1ぐらいなんじゃないか。
0から1を作るんじゃなくて、20から1を選び出せばいいんだよ。そう割り切ってしまえば、作り出さなきゃいけないという固定観念は捨てて自由になれる。むしろ創っているという自惚れは捨てるべきなのだ。
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