25時間テレビを見すぎて、寝坊して八坂神社へ。今日は花傘巡行に参加するのだ。朝ごはん食べずにとりあえず衣装に着替える。
しばらく待機したあと、八坂さんの横から知恩院に上がる道路に集合。芸舞妓さんや凾谷鉾の人が徐々に集まってくるのを見て楽しむ。中でも、芸舞妓さんが「よろしくおたのもうします」や「ええんどすか」などど絵の中の京都弁で先生と話しているのを聞いて、感動しまくる。
わたくしが参加するのは、久世六斎保存会。お囃子の昔の形が継承されているらしい。鉦(ぶら下がっている鐘のようなやつ)がいいやつだ、とか鉦すり(鉦を叩く棒)の柄が鯨のヒゲだとか、先は鹿の骨だとか色々素敵な話を聞ける。ちなみに、彼等は南区の伝統的な囃子方のようだ。
八坂さんを出て、四条を西へ。台車がかなり重くて朝ご飯抜きの体にはつらい。囃子方が15人ぐらい乗っているのを寄せ集めの8人で引いているんだからしゃれにならん。しかも、目立ってやろうと意気込んで一番しんどい前を買って出たもんだからヘロヘロ。途中、四条大橋の上で、あちゃことHA氏に発見される。ほら、しんどそう。
河原町を北上し、三条当たりで交代。ここからのんびりと押す。御池まで入って寺町を南下。商店街は平らなので押すのも楽々。四条に出たところで衝撃の新事実が。御旅所の前でくじ改めをしている。しかも巡行と同じように。市長ではないけど、きっちりと扇子を使ってくじ入れを開けている。花傘巡行の順番は毎年同じなのだけど、後の祭りの名残ということでやっているらしい。すごいなぁ。
八坂さんまで到達して終了。汗だく。空腹・睡眠不足にやられて一端、常宿に戻って休息することにする。
17時頃、御旅所前へ到着。先週より人が少ない。先週は三連休かつ巡行だったからなぁ。神輿が御旅所を出るところの写真も軽々と撮れてしまう。
今年は東御座を追跡。烏丸を高辻まで南下し、室町を北上、新町を南下という素敵なコース。途中、木乃婦で飲み物の振る舞いがあったときには羨ましくなった。花傘巡行で経験したけど、これは本当にありがたい。中でも三嶋亭でお茶をもらったときは幸せの絶頂でした。
西洞院高辻の Alpine というパン屋でパンを購入。なかなかうまい。神輿は大宮高辻を北上し、四条の手前で提灯をつける。
三条大宮までは普通に行く。道が狭いからか。東御座は振る回数が少なく感じたので、からはメインの中御座を追走することに。
ここからはかなり早く感じる。気付いたら堀川、気付いたら烏丸、と思っている間に寺町に到着する。途中、三条東洞院で丹波太鼓の応援とそれに応えての神輿振りがかっこよかった。この辺は2年前に撮った動画(7.7M)を参照くださいませ。
三基が八坂神社に戻ると、今回の目当てでもある儀式の準備。ここで信じられないアナウンスが。「これより、還幸祭をとりおこないます」…! 八坂神社からすると還幸祭は神輿が還ってくる行事ではなく、還ってきた神様をもてなす行事だったのだ!
まずは一番尊い儀式、御霊うつし。境内の電気が全て消さる。携帯電話やカメラを取り出すのは以ての外。ただ月明かりのみ。写真のように本殿から御輿が安置される舞殿までは神の領域を表す結界がはられている。
本殿の中から神主さんと覆いで覆われた人、お付きの人が歩いてくる。神主さんは甲子園のサイレンを長さ半分、オクターブ1つ下にしたような奏詞をあげながらゆっくりと御輿の方まで歩いていく。覆いで隠された人は神が宿とする体なのだろう、3基それぞれの御輿の前で御幣が祓われる。琴の音とうなり声、御幣の音の中、儀式は粛々と執り行われる。
彼らが本殿に移動してきたとき、それはすぐ目の前を神が通るということだ。自然と祈る気持ちで頭を下がる。何かを祈るわけではなく、純粋に手を合わせる。周りの人も同じ。マナー違反も何もない、いやそんなことはする気にはならない。本殿に入り、声が小さくなっていく…。
…と、境内の明かりが点く。24時手前からのわずかな15分ほどの時間だったけど、その場にいた人は誰一人としてマナーを破って写真を撮ることはなかった。いや、撮ることが畏れ多いほど神聖な空間だった。ただ、目の前で執り行われる儀式を見るだけ。ただ尊い空間だった。
何かを悟ったという静かな興奮と、不思議なまでの集中力。目の前に居たのは確かに神だった。見えたからではない。感じたからではない。触ったからではない。聞いたからではない。
ただ、思った。それ以上でもない。それ以下でもない。論理や理論ではないもの。これが宗教? 違う。これが神。
神聖な気持ちで みみお へ。
八坂神社での儀式、とりあえず見たことない人は絶対に見るべきです。見てしまうと公共交通機関は全て止まってしまいますが、それでもお薦めいたします。
ほんまに感動します。言葉ではよさは伝え切れません。状況描写および感想を熱弁しましたが、満足に伝えられてはいません。つべこべ言わんと見てくださることをお薦めいたします。
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