浅草で三社祭を見る。神輿の大きさはちっこくて、この程度かよ、と思ったら実は間違ってた。数がすごい。各町内に神輿があって、それぞれが寺の裏手に集合して、神社でお祓いを受けて町内へ帰っていくのだ。その数、百基。もう、寺の裏は壮絶、人の数も壮絶。
祭の雰囲気っていいねぇ〜。いいカメラを持ってる人が沢山いてうらやましくなったけど、負けずに撮りまくる。写真のよさはカメラの値段じゃない、魂だ。…でも、ケータイで撮っている人を見ると、けっ、そんなんでキレイに撮れないっちゅーねん、と思うわけだ。我ながら自分勝手。
きっと、カメラの質なんかより、写真の質なんかより、記憶を形に残すということが大事だからみんな写真を撮っているのだ。なぜ、一眼レフを持ち歩くかと言えば、こちらのほうが、より記憶に忠実な形で写真に残せるからにすぎないのだ。
人込みにもまれてヘトヘトになったので、お昼ご飯へと向かう。ところが、境内から脱出するのが大変。神輿が出ていくのを見る人と来る人と帰る人の熾烈なバトル、飛び交う怒号、悲鳴…そして町衆の掛け声。最悪の事態を防ぐべくギリギリのところで制御する休日返上の警察官。全ての障害物をくぐり抜ける最短の道を常時計算しながら、命からがら逃げ帰る(ややフィクション)。
なんとか人混みを抜け出して、有名蕎麦屋の並木薮蕎麦に到着。5,6人ほど並んでいたけど許容範囲。天ざる(1,600円)を注文。
やけに味が濃いなーと思ってあとで調べてみると、つゆが辛口で有名なお店らしい。辛口なのに、蕎麦粉の香りが口中に広がるのが不思議。にしても、そこまで有名な理由が分からない。ごくごく普通の味なのに。Web での評判はかなりよく、江戸っ子にはこれがたまらないらしい。もしかして、関西人には評判が悪いのかもしれない。
あと、天ぷらはちょっとだけ。しっとりしていて、えびせんを思い出した。普通のざるそばが650円でそれより1,000円も高いのには納得いかないぞ。
上野へ移動して上野公園でまったり。祭でヘトヘトになったので、のどかでゆったりできる。
御徒町へ移動して休息の地を求めて歩き回る。こういうときに、まったりするならあの店、いい感じならこっちの店、味で選ぶならあそこの店…などと作戦が立てられないのは痛い。行き当たりばったりも楽しいのだけど、そればっかりじゃねぇ。
偶然通りかかった興伸の外神田店でスイートポテトを購入。家に帰って食べたらうまかった。めちゃうまい。TVでもよく取り上げられるぐらい有名らしい。
なにげなく通りかかってちょっとよさそうだった六曜館というお店でお茶。昔ながらのレトロな様子がいいお店だった。水出しコーヒーはかなり濃厚。濃厚好きにはいいでしょう。
アメ横のみなとや食品の屋台にて特もり丼(700円)を食す。なんと言っても値段の安さが魅力的。味は値段相応。都会でこの値段にしてはおいしいか。
魚屋の横で屋台形式でやってるので、知らない人と相席になったりして砕けた感じが素敵だ。人が多い下町の雰囲気はほっとする。この光景…、北京やタイでみた街の雰囲気と似ている。狭い路地に同じようなお店が軒を連ねている様子なんて北京の市場と一緒。昔は日本全国でこういう風景だっただろうに、いつのまにか多くの下町が寂れてしまって、皮肉なことに東京にだけ、活気のある下町は残ってしまったんだろうか。失われた日本がここに。
下町ラヴ。
最新コメント