今までのユニクロのCMは無理してブランドっぽく見せようとしている雰囲気がプンプンしていて、いまいち好きになれなかったんだけど、このCMはおもしろい。
どうやらこのCMは30秒のバージョンしかないみたい。15秒間4人の踊るバレリーナの周りをぐるぐると回転しながら映したあと、スローモーションになり足をのばしたときのキレイさを強調する。ユニクロおきまり価格表示が出たあと、再度バレリーナが踊り出す。それだけなのに、単調にならないのはバレエを回りながら撮影するという発想の斬新さゆえ。踊りも工夫されていて、4人が同時に回り始めるシーンは遊園地のコーヒーカップを連想させて楽しい。
音楽は単調(なんと最初の15秒間で、同じリフレインが10回も繰り返される)なんだけど、逆にこれが功を奏している。テレビの視聴者はCMの15秒間隔のサイクルに体がなれていて、そんな中で単調なメロディーが15秒間に10回もも繰り返し流れ続けていたら、たとえ新聞を読んでいてもついついテレビが気になって見てしまう。これで製作者は勝ち。ちょうどいいタイミングでスローモーションが始まり、ユニクロの新製品をアピールする、という寸法だ。
踊るバレリーナを30秒間映し続けるだけなのに、この春のCMで一番の存在感を持っている気がする。紙一重のところなんだけど、ダメなほうに転ばないのは、すべてがうまくいったからなんだろうなぁ。30秒限定という工夫が斬新だし、見飽きたはずのマシンガン撮影もこうやって見せられると新鮮なんだから奥が深いもんだ。
ついつい見てしまうこのCM、ユニクロのWebサイトからダウンロードできます。
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