貴方は、学校の数学や理科の時間に登場する彼らを羨望した事はないか。
そう、彼らの名前は次のようにして呼ばれるのだ。
「○○の定理」「○○の法則」「○○の多項式」等
私は、彼らのようになりたいのだ。
なぜ、数学や理科の教科書に載りたいかって? 理由は簡単だ。社会の教科書に載ってみろ。あそこには何人の人がいる?数百人はいるぞ。しかも、載ったとしても近代のページにだ。あそこの扱われ方のぞんざいさは、貴方も承知の通りだ。時間が足りない、入試に出ないなどの理由で、「さらっと行っときましょう」とかいわれる始末だ。
国語はどうかって?言わずもがなである。教科書に載る作家は、恐らく相変わらずのメンバーであろう。教科書に載るのは無理なのである。文学史はどうだって?文学になら確かに、近代の作家でも掲載される可能性はある。しかし、あなたにあそこの悲しさが分かるか?作品も読まれず、ただ試験に出るという理由でのみ覚えられ、試験が終わるとすぐ忘れられるのだ。さらに、入試に出るといえば、あいも変わらず「新感覚派」がどうとか、「自然主義」がどうたらこうたら、とかなのである。
それゆえ数学や、理科なのだ。新しい発見をして、その分野のスタンダードになれば、直ちに教科書に名前が載るのだ。
私が彼らのようになりたい理由は、それだけではない。彼らの中には単位になる者もいるのだ。 新しい物を発見したとき、その単位名を決めるのは自分なのである。ワット、アンぺール、ヴォルタ、ニュートン、ヘルツ等彼らを羨むばかりだ。
だって、想像してごらんよ。自分の名前が単位になるなんて・・・・
研究員A:「室長! 大発見ですよ。予想通り『12にと』検出されました」
室長 :「そうか。やはり『にととと』は『によよん』の二乗に比例するのか」
研究員B:「やりましたね!! ついに『にとよんの法則』を実証しましたね」
「ハイ。注目。ここの『によよんの法則』(注:黒板に赤字で書かれている)はよくテストに出ます。覚えとくように。特に『サイタの第一法則』は大事です。第二法則はちょっと高校範囲を超えてるから説明できへんけど、こっちはむちゃくちゃよく出るのでよく覚えとくように」
「ハイ。ここは『によよんの第一法則』を使えば、『にととと』は『1.256にと』っていうのが分かってるので二乗したらしまいですね。『1.577536ケンイチ』であるから四捨五入して『1.58[nito]』が答えです」
ほら、想像するだけでワクワクするじゃない? ノーベル賞の授賞式に出席するのを想像するよりも、はるかに私の心を暖めてくれるのだ。
以上が、私の野望の一端である。
諸君は、『によよん』と『にと』が何の単位になるかを期待して待たれい。 もしかしたら、貴方の周りにも『0.5[nito]』ほどあるかもしれないよ。 そう、貴方の心の中に『30[nito]』ほどある事も否めないのである。
この文章は、にとよんにより執筆されたものですが、文責はにとよんにはなく上のような単位が生まれなくても誰も責任は取らないにもかかわらず、この文章の著作権はにとよんにあり、この文章の一部又は全てを改変して個人又は不特定多数に配布する事は禁止されているという、自分勝手な文章です。
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